TOP>摂り過ぎと不足


 みなさんは、親や先生に、「塩分はいくら摂っても大丈夫」と言われたことがあるでしょうか。
逆に、「塩を摂りすぎるのは体に良くない」と教わっている人がほとんどだと思います。
たしかに塩の摂りすぎは好ましくありません。厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」2010年版では、日本人の1日の塩分摂取の目標値は、成人男性9g未満、女性7.5g未満となっていますが、実際の調査では男性で11.5g、女性で10.0gを1日で摂取しています。
※平成17年・18年の国民健康・栄養調査、18歳以上の食塩摂取量(中央値)より。

 しかし、血圧に限って言えば、「塩の摂り過ぎで高血圧になる」とは必ずしも言えないことがわかっています。特に日本人の中では、塩の摂取で血圧が大きく上昇する人(このタイプの人を「食塩感受性のある人」と呼びます)よりも、塩の摂取では血圧があまり上昇しない人(食塩感受性のない人)の方が、実は多いのです。



 また、塩分の1日の最低必要量は、人間のナトリウム排出量より考えて、約1.3gと言われています。ただ、だからといって私たちが1日1.3gの健康生活を今すぐできるかというと、それは難しいでしょう。
世界に比べ比較的高い塩分量の食生活をして今まで生活してきた日本人が 急激に塩分を減らすと、体の排出機能とのバランスが崩れ、体に良くありません。健康な減塩生活をするのであれば、せめて1日4g程度は摂り、きちんと整った食生活をする必要があります。

 わたしたちが毎日食べたり、飲んだりして摂取している「塩」ですが、塩が体でどのようなはたらきをしているのか、塩を摂り過ぎたり不足させたりするとどうなるのかなど、知っているようで知らないことがたくさんあります。
ここでは、塩がわたしたちの体でどのようなはたらきをしているのか、なぜ過不足によって病気を招くのか、その仕組みを紹介していきます。
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塩のはたらき
塩(食塩)は、正確には「塩化ナトリウム」という物質でできています。これは「塩素」と「ナトリウム」が結合してできているものです。
このうちナトリウムは、細胞外液中に存在し、細胞外液の濃さを一定に保つ働きをしています。
そのためナトリウムが不足したり過剰摂取したりすると、一定に保たれていた細胞外液の浸透圧が変わり、結果的に細胞内の浸透圧のバランスが変わってしまいます。
また、人間の神経伝達や筋肉の動きにもナトリウムは必須で、さらにナトリウムは胃や腸などの消化液の成分にもなっています。
体で主にはたらくのはこのナトリウムの方ですが、塩素も胃酸の成分になるなどして体内ではたらいています。



近年の日本では、減塩の流れが強くみられますが、実際に起こる症状を考えると、ナトリウム不足の方が危険であるといえます。

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